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もう、日も暮れて少し涼しくなってきた。
風を切って走る自転車。
乗っているのは、日和原ヒュースケン20歳、日和原一家次男である。
(もうそろそろ、夕飯が出来た頃かな?)
そう思うと、またさらに元気が出てきて、自転車をこぐ足にも力がこもる。
彼、今ちょうど仕事が終わり、家に帰宅中である。本当なら祖父であるハリスと一緒に帰ってくればいいのだが、無論そのときは問答無用で巨泉に乗せられるので、一足先に帰っているのだ。
そう考えているうちに家に着く。
「ただいまぁ~。」
「おかえり~」「お、おかえり~」「オアマァッ!」
今聞こえたのは、母、素子の声と兄、妹子の声、そして最後のが父である太子の奇声である。
「い、今お父さんの悲鳴が聞こえたような気が・・・。」
そういって今のドアを開ける。
そこには案の定、太子に馬乗りになってまぶたを引っ張る妹子がいた。
「よっす、お邪魔してま~す!」
「こんばんは、ヒュースケン君。」
「おう、おじゃましてるぞ。」
「おっす!」
ちなみに今のは、うえから順番に叔父の閻魔、芭蕉、従兄の竹中、鬼男である。
って、竹中って苗字じゃないのか!って突っ込んだら、負けです。
日和原一家は、意外と親戚が多く、特に用事がなくても親戚が遊びにやってくるのだ。
「で、いも兄は何があってそうなったんですか?」
「いや、ちょっと親父が執拗にツナおにぎりを投げてきたんで。」
「わかった、わかった謝るって!クリーンナップ!」
「ギブアップね。」
間髪入れずキッチンから突っ込む素子。
「いや~相変わらずにぎやかだねぇ、この家は。」
そうつぶやく芭蕉の横に座るヒュースケン。
「いやぁ、うるさすぎてもう大変ですよ。ところで、調子丸さんはどうしたんですか?」
調子丸も、従兄の一人である。
「あぁ、ここに来てから背中が爆発してね。」
「ば、爆発?!」
見てみたいような、見たくないような。
「で、隣の部屋で寝てる。」
「そ・・・それはまた大変ですね・・・」
「そうなんだよね~。唯でさえわたしもスランプ中の頭ひねって俳句とか考えてるときに、皿が割れたりまぁ大変なんだよ。」
「そういう時は父さん僕に何でもまかすじゃないですか。ちょっとは僕の苦労も考えて欲しいんですけど~!」
そう口を尖らせる鬼男。
「まま、いいじゃあない。鬼男君。芭蕉さんも大変なんでしょう?」
そういう閻魔。ちなみに芭蕉は、閻魔の義兄である。
「ですけど大王、調子丸兄さんって事あるごとに体調崩すんですよ!あれが大王だったら串刺しにして裂きイカにする勢いですよ!」
「お、鬼男君、さりげにひでぇ・・・。」
苦々しい顔をする閻魔。
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アランナ(腐ってます
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